PF2.0とPF1.3を合体させるべき?5000回シミュレーションで検証した結果がヤバかった
この記事の結論
PF2.0の戦略があるなら、そっちに全力投球が正解。
ポートフォリオ運用は「安心感」を買う代わりに「爆発力」を犠牲にする行為。 具体的にどのくらい犠牲になるか?62倍 → 5倍に激減します。
「えっ、そんなに違うの?」と思ったそこのあなた、一緒に見ていきましょう。
そもそもプロフィットファクター(PF)って何?
PF(プロフィットファクター)は、総利益 ÷ 総損失で計算される指標です。
PF = 総利益 ÷ 総損失| PF値 | 意味 |
|---|---|
| PF < 1.0 | トータルで損失(ダメなやつ) |
| PF = 1.0 | トントン(やる意味なし) |
| PF = 1.3 | まあまあ優秀 |
| PF = 2.0 | かなり優秀 |
| PF > 3.0 | 疑え(オーバーフィッティングの可能性大) |
よくある議論が「PF2.0の戦略とPF1.3の戦略、どっちも持ってるんだけど両方使うべき?」というもの。
直感的には「分散は正義!両方使えばリスクヘッジになる!」と思いますよね?
検証してみましょう。
シミュレーション条件
今回のシミュレーション設定はこちら:
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 初期資金 | 100万円 |
| 1トレードのリスク | 2%(2万円) |
| トレード回数 | 500回(約2年分) |
| シミュレーション回数 | 5,000回 |
| リスクリワード比 | 1:1.5 |
リスクリワード比1:1.5の場合の勝率
- PF2.0 → 勝率57.1%
- PF1.3 → 勝率46.4%
この条件で、以下3パターンを比較します:
- PF2.0単独:100万円全額でPF2.0の戦略だけ運用
- PF1.3単独:100万円全額でPF1.3の戦略だけ運用
- ポートフォリオ:50万円ずつ2つの戦略に分散
衝撃の結果
500トレード後の資金(中央値)
| 戦略 | 最終資金 | 倍率 |
|---|---|---|
| PF2.0単独 | 6,220万円 | 62倍 |
| PF1.3単独 | 423万円 | 4.2倍 |
| ポートフォリオ | 508万円 | 5倍 |
待って待って待って。
PF2.0単独だと100万円が6,220万円になるのに、ポートフォリオだと508万円?
差額5,712万円。
これ、ポートフォリオにしたことで「安心」を買った代償です。
なぜこんなに差がつくのか
複利の魔法(と呪い)
複利運用では、わずかな勝率・期待値の差が指数関数的に拡大します。
PF2.0の戦略は1トレードの期待値が高いので、複利で雪だるま式に増えていく。 PF1.3の戦略も悪くないけど、成長速度が遅い。
そしてポートフォリオにすると…
- PF2.0への投資額が半分になる → 複利効果が弱まる
- PF1.3の足を引っ張られる → 全体の成長が鈍化
結果的に「中途半端」な運用になってしまうわけです。
リスクリワード比を変えてみた
「いやいや、RR比が違えば結果も変わるでしょ?」
確かに。なので3パターン試しました。
RR 1:1.0(勝った時と負けた時が同額)
| 戦略 | 最終資金 |
|---|---|
| PF2.0単独 | 2,504万円 |
| PF1.3単独 | 339万円 |
| ポートフォリオ | 347万円 |
RR 1:1.5
| 戦略 | 最終資金 |
|---|---|
| PF2.0単独 | 6,220万円 |
| PF1.3単独 | 423万円 |
| ポートフォリオ | 508万円 |
RR 1:2.0(利益が損失の2倍)
| 戦略 | 最終資金 |
|---|---|
| PF2.0単独 | 1億1,610万円 |
| PF1.3単独 | 498万円 |
| ポートフォリオ | 663万円 |
どのRR比でもPF2.0単独が圧勝。
RR1:2.0に至っては、100万円が1億円超え。ポートフォリオだと663万円止まり。 差額9,947万円…約1億円の差…
でもPF2.0の戦略が崩壊したら?
ここで賢明な読者は思うでしょう。
「いやでも、PF2.0の戦略が突然機能しなくなったらどうすんの?」
それな。
実はこれがポートフォリオ運用の唯一にして最大のメリットです。
ポートフォリオのメリット
- PF2.0の戦略が崩壊しても、PF1.3の資金は無事
- 相場環境の変化に対する保険になる
- メンタル的な安心感
ポートフォリオのデメリット
- 爆発力が激減(62倍 → 5倍)
- 資金効率が悪い
- 複利効果を最大限活かせない
じゃあ結局どうすればいいの?
PF2.0の戦略に自信がある場合
→ 単独運用を推奨
複利効果を最大限活かして、資金を増やしましょう。 ただし、戦略が機能しなくなる兆候(ドローダウンの異常増加など)には注意。
PF2.0の戦略に不安がある場合
→ ポートフォリオも選択肢
「この戦略、カーブフィッティングじゃないか不安…」という場合は、資金の一部をPF1.3の戦略に回すのも合理的。
ただし、「安心を買う代償として、期待リターンが大幅に下がる」ことを理解した上で。
PF1.3の戦略しかない場合
→ それでも複利で回せば十分利益は出る
100万円 → 423万円(4.2倍)は、銀行預金より遥かにマシ。 PF1.3でもリスク管理しながら長期運用すれば、着実に資産は増えます。
追加検証:PF1.3でリスクを上げたらPF2.0に追いつける?
「PF1.3の戦略でも、リスクを上げればPF2.0に追いつけるのでは?」
検証しました。
| リスク/トレード | 最終資金(PF1.3) | 破産率 |
|---|---|---|
| 2%(標準) | 423万円 | 0% |
| 3% | 776万円 | 0% |
| 4% | 1,454万円 | 0% |
| 5% | 2,073万円 | 0% |
リスク5%まで上げても2,073万円。PF2.0の6,220万円には遠く及ばず。
しかもリスクを上げると破産率も上昇するので、実際にはもっと危険。
結論:PF1.3でリスクを上げてもPF2.0には追いつけない。
まとめ
| 状況 | 推奨 |
|---|---|
| PF2.0の戦略に自信あり | PF2.0単独運用 |
| PF2.0に不安あり | ポートフォリオ(保険として) |
| PF1.3しかない | PF1.3で着実に複利運用 |
覚えておいてほしい数字
- PF2.0単独:100万円 → 6,220万円(62倍)
- ポートフォリオ:100万円 → 508万円(5倍)
- 差額:5,712万円
ポートフォリオは「安心」を買う行為。 その安心に5,712万円の価値があるかどうかは、あなた次第です。
【追加分析】PF × リスク% のドローダウン・ヒートマップ
「複利で増えるのはわかった。でもドローダウン(DD)はどうなの?」
良い質問です。リターンとDDのトレードオフを可視化しました。
4つのヒートマップ
読み方:
- 縦軸:プロフィットファクター(PF)
- 横軸:1トレードのリスク%
- 左上:最大DD中央値(低いほど安全)
- 右上:最終資金倍率(高いほど儲かる)
- 左下:破産率(低いほど安全)
- 右下:最大DD 95%ile(運が悪い時のDD)
衝撃の数字
| 設定 | 最大DD中央値 | 最終資金倍率 |
|---|---|---|
| PF2.0, リスク2% | 15% | 62倍 |
| PF1.3, リスク2% | 26% | 4.2倍 |
| PF1.3, リスク5% | 57% | 21倍 |
| PF2.0, リスク5% | 34% | 16,431倍 |
PF2.0なら同じDDでもリターンが桁違いに大きい。
PF1.3でリスク5%に上げてDD57%を許容しても21倍なのに、PF2.0ならリスク2%でDD15%に抑えながら62倍。
これが「PFの差」の残酷さです。
DD vs リターンの関係図
バブルの大きさ=リスク%。色はPFを表します。
注目ポイント:
- PF2.0以上(青系)は、低DDで高リターンの「効率ゾーン」にいる
- PF1.3以下(赤系)は、リスクを上げてもリターンが伸びない
- オレンジの縦線(DD30%):プロップファームの基準ライン
プロップファームでDD10%制限を守るなら、PF2.0でもリスク1%が限界。 PF1.3だとリスク1%でもDD14%なので、ほぼ無理ゲー。
取引回数が増えるとDDはどうなる?
残酷な現実:取引回数が増えるほどDDは上がる。
| 取引回数 | PF2.0のDD | PF1.3のDD |
|---|---|---|
| 100回 | 11% | 16% |
| 500回 | 15% | 27% |
| 1000回 | 17% | 31% |
長期運用では、どんな優秀な戦略でも大きなDDに遭遇する。 これは避けられない。
ただし、PF2.0なら1000トレードでDD17%で3,682倍。 PF1.3だとDD31%で18倍。
同じ「ドローダウン経験」なら、PF2.0の方が圧倒的に報われる。
DD分析からの推奨設定
| 運用目的 | 推奨リスク% | 許容DD |
|---|---|---|
| プロップファーム | 1〜2% | 10%以下 |
| 安定重視の自己資金 | 2〜3% | 20%以下 |
| 攻め気味の自己資金 | 3〜5% | 30%以下 |
PF1.3の場合
- リスク2%でDD26%、4.2倍
- プロップファームには向かない(DD制限に引っかかる)
- 自己資金で長期運用が現実的
PF2.0の場合
- リスク2%でDD15%、62倍
- プロップファームでもギリギリ運用可能
- 自己資金ならリスク3%で432倍も狙える
余談:現実世界での注意点
シミュレーションは理想的な条件での話。現実には:
- スプレッド・手数料でPFが下がる
- スリッページで期待通りに約定しない
- 相場環境の変化で戦略が機能しなくなる
- メンタルでルール通りに取引できない
PF2.0の戦略があっても、実運用ではPF1.5くらいに落ち着くことが多いです。
それでも、複利の力を理解して資金管理すれば、長期的には資産を増やせます。
焦らず、着実に。
検証データ
本記事のシミュレーションは、Pythonで5,000回のモンテカルロシミュレーションを実行して算出しています。
シミュレーション条件:
- 初期資金:100万円
- リスク/トレード:2%
- トレード数:500回
- RR比:1:1.5
結果はすべて中央値(メディアン)で表示しています。
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