🎲 月末の引けは「どっちに動くか」読めなかった。でも20pipsの損切りが刈られる確率は普段の4.2倍。ユーロドル・ドル円・ナスダック・ダウ60か月で確かめた
🧭 この記事は「需要」シリーズの1本です。5本の結論はまとめ記事で読めます。
🤔 動く時刻がわかったなら、向きもわかるはず…?
前回の記事で、月末のロンドン16時とNY引けは、普段の1.4〜1.8倍動く ことがわかりました。年金や投資信託が、月末にまとめて資産の配分を戻すからです。
それなら向きもわかるはずですよね。
- 株が上がった月 → 株の割合が増えすぎる → 月末の引けで株を売る → 下がる
- 米国株が上がった月 → 海外の投資家はドル建ての資産が増えすぎる → ロンドン16時にドルを売る → ドル安
「これで月末は勝てる!」と、私もワクワクしながら数えました😤
🧪 確かめ方
- データ:Exnessの5分足、2021年7月〜2026年7月の60か月
- その月の上げ下げ:前月末の引けから、月末の日の途中まで
- 株の引けを見るとき:NY 15:00 まで
- ロンドン16時を見るとき:NY 10:00 まで(ロンドン16時=NY 11時より前。先の値段を使わない ため)
- 引けの向き:株は NY 15:30→16:00、為替はロンドン 15:30→16:00
- 比べる相手:月末の1つ前の営業日。同じ計算をして、月末だけ違いが出るかを見る
📊 結果:向きはコイン投げだった
その月と 逆向き に引けが動いた割合です(予想どおりなら50%より大きくなる)。
| 引けの向き | 月末 | 月末の1つ前の日 |
|---|---|---|
| ナスダック(NY 15:30〜16:00) | 42%(60回中25回) | 53% |
| ダウ(同上) | 50%(60回中30回) | 43% |
| ドル円のドル(ロンドン 15:30〜16:00) | 42%(60回中25回) | 53% |
| ユーロドルのドル(同上) | 45%(60回中27回) | 40% |
どれも五分五分の範囲 でした。ナスダックとドル円は、むしろ予想と逆で「同じ向き」が多いくらいです(ただし偶然の範囲)。
「大きく上げた・下げた月なら出るのでは?」と思って、上げ下げが大きかった上位3分の1(ナスダックは月に5.7%以上、ダウは4.3%以上)に絞りました。
| 逆向きに動いた回数 | |
|---|---|
| ナスダック | 20回中10回 |
| ダウ | 20回中11回 |
それでも五分五分。向きは読めません 😭
🤷 なぜ読めないのか
ここからは推測です。
- 配分を戻す人は、株だけでなく債券や他の通貨も同時に動かす。株と債券が両方上がった月 は、株を売る理由が弱い
- 「月末は株が売られる」と知っている人が 前もって売っておく。すると引けの時点では、もう偏りが残っていない
- 年金の調整は月末ではなく、四半期末や、配分が決めた幅を超えた日にだけ行うところも多い
前回のSQと同じで、需要が来る時刻がわかっても、買いと売りのどちらに偏るかまでは決まっていない ということです。
💥 でも「大きさ」は読める:損切りが刈られる確率
向きが読めないのに、大きく動くことだけはわかっている。これがいちばん危ないパターンです。
15:30の値段から、片側に一定の距離で損切りを置いていたら、16:00までに刈られた割合 を数えました(買いの損切りと売りの損切りの平均)。
| 損切りの距離 | 月末 | 普段の日 | 倍率 | |
|---|---|---|---|---|
| ユーロドル | 10pips | 51% | 31% | 1.6倍 |
| ユーロドル | 20pips | 31% | 7% | 4.2倍 |
| ドル円 | 10pips | 61% | 41% | 1.5倍 |
| ドル円 | 20pips | 30% | 15% | 2.0倍 |
| ナスダック | 50pt | 35% | 20% | 1.7倍 |
| ナスダック | 100pt | 12% | 5% | 2.6倍 |
| ダウ | 100pt | 25% | 15% | 1.8倍 |
| ダウ | 200pt | 8% | 2% | 3.7倍 |
普段なら「まず届かない」距離の損切りほど、月末に刈られる倍率が大きい。 ユーロドルの20pipsは、普段は14回に1回しか届かないのに、月末は3回に1回届きます。
30分の値幅でも見ておきます(15:30〜16:00)。
| 月末の中央値 | 普段の中央値 | 月末の上位10% | 普段の上位10% | |
|---|---|---|---|---|
| ドル円 | 32.0pips | 19.1pips | 55.1pips | 35.4pips |
| ユーロドル | 25.0pips | 14.8pips | 40.0pips | 26.8pips |
| ナスダック | 87.1pt | 55.2pt | 143.8pt | 119.7pt |
| ダウ | 139.7pt | 92.9pt | 242.2pt | 185.2pt |
月末は60回しかないので、細かい数字はぶれます。でも、全部の銘柄・全部の距離で月末のほうが高い、という向きはそろっています。
🛡️ じゃあどうするか
向きが読めない大きな動きに対しては、こうするしかありません。
- 月末の15:30〜16:00(ロンドン・NY)は、狭い損切りのまま持ち越さない
- 持つなら、損切りを普段の30分の値幅(上の表)より広くするか、ロットを下げる
- 「月末は株売り」「月末はドル売り」のような 向きの決め打ちはしない
儲かる話ではありませんが、知らずに毎月損切りを刈られている のを止められるだけで、成績は変わります。
🎉 まとめ:需要は「いつ」と「どれだけ」までは読める
- 月末の引けの向きは、60か月で 五分五分。大きく動いた月に絞っても同じ
- 動く大きさは読める。普段は届かない距離の損切りが、月末は 2〜4倍 刈られる
- 需要の時刻表は、攻めの武器というより、守りの地図 として使うのが正解
「月末の夜、気づいたら損切りにかかっていた」。その経験、私だけじゃないはずです。 来月の月末は、時計を見てから注文を置いてみてください。それだけで、刈られる回数はきっと減ります💪
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