🎯 チャートの線に力はなかった。適当な値段は抜けても五分五分、効くのは「損切りがたまる値段」だけ。ドル円・ユーロドル2万回超で確かめた
🧭 この記事は「需要」シリーズの1本です。5本の結論はまとめ記事で読めます。
🤔 「チャートは結果」なら、なぜ節目は効くのか
前回の記事で、「チャートは需要の結果でしかない」と書きました。
すると、こんなツッコミが来そうです。
「でも、高値を抜けたら伸びるじゃん。チャート効いてるじゃん」
私もそう思っていました😤 そこで、線そのものに力があるのか、それとも線の上にたまった注文に力があるのか を数字で確かめました。
🧪 確かめ方
考え方はシンプルです。
- 節目を 初めて抜けた瞬間 から見る(その前4時間は節目に触れていないこと)
- そこから さらに+10pips進む のと −10pips戻る のどちらが先に来るかを数える
- 値動きに偏りがなければ、50% になる
比べる値段は3種類です。
| 種類 | 例(ドル円) | 例(ユーロドル) | 損切りがたまりやすいか |
|---|---|---|---|
| 切りのいい数字 | 150.00 | 1.1000 | みんなが見ている |
| 前日の高値・安値 | 日によって違う | 日によって違う | みんなが見ている |
| 誰も見ていない値段 | 150.13 / 150.37 / 150.63 / 150.87 | 1.1013 など同じ位置 | 見ている人はいない |
最後の「誰も見ていない値段」が比べる相手です。もし線を引くこと自体に意味があるなら、ここでも伸びるはずです。
データはExnessの ドル円1分足(2022年1月〜2026年8月) と ユーロドル5分足(2021年7月〜2026年7月)。どちらにも届かないまま翌日まで来たものは数えていません。
📊 結果:適当な値段は五分五分だった
| 抜けた値段 | ドル円 | ユーロドル |
|---|---|---|
| 切りのいい数字 | 56.5%(1,843回) | 56.8%(1,233回) |
| 半分の数字(.50 / .0050) | 54.8%(1,939回) | 54.0%(1,149回) |
| 前日の高値・安値 | 57.6%(1,336回) | 51.1%(1,530回) |
| 誰も見ていない値段 | 51.1%(7,679回) | 49.6%(4,943回) |
誰も見ていない値段は、抜けてもほぼコイン投げ でした。
伸びたのは、みんなが見ている値段だけ。線を引く場所が同じ「節目らしい場所」でも、人が見ていなければ何も起きません。
🍱 お弁当屋さんで言うと
「12時になったら行列ができる」のは、時計の針に力があるからではなく、12時に昼休みが始まる会社員がいるから です。 同じように、150.00を抜けて伸びるのは、150.00の少し上に 「ここを超えたら買い戻す」という損切り注文がたまっているから です。損切りは、値段に関係なく必ず執行される 避けられない需要 です。
📈 たまる時間が長いほど、少しだけ強くなる
損切りが需要なら、節目に触れない時間が長いほど注文がたまって、抜けた後に伸びやすいはずです。
| 節目に触れていなかった時間 | ドル円 切りのいい数字 | ユーロドル 切りのいい数字 | 誰も見ていない値段(ドル円 / ユーロドル) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 55.5% | 56.0% | 51.0% / 49.6% |
| 4時間 | 56.5% | 56.8% | 51.1% / 49.6% |
| 24時間 | 57.7% | 57.9% | 52.6% / 49.5% |
小さな差ですが、向きはそろっています。誰も見ていない値段(ユーロドル)は、何時間待っても50%のままでした。
📅 年ごとにも見た
ドル円の切りのいい数字:
| 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026(〜8月) |
|---|---|---|---|---|
| 59% | 58% | 57% | 54% | 51% |
ユーロドルの切りのいい数字:
| 2021(7月〜) | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026(〜7月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 52% | 56% | 58% | 55% | 57% | 61% |
ドル円は年々弱くなっていて、2026年はほぼ五分です。ユーロドルは毎年50%を超えています。
🤷 ユーロドルは前日の高値・安値が効かなかった
ドル円は前日の高値・安値でも57.6%でしたが、ユーロドルは51.1%で差がありませんでした。ユーロドルは世界で一番取引される通貨ペアなので、前日の値段に注文が偏らないのかもしれません。ここは推測で、確かめてはいません。
💸 正直に言うと、これで儲かるわけではない
56.5%で「+10pipsか−10pipsか」の勝負をすると、期待値は1回あたり 約+1.3pips です。
ところが、私が検証に使ったExnessの口座では、ドル円のスプレッドが中央値で 1.0pips(8割の時間が0.8〜1.1pips)あります。さらに、逆指値で飛び乗ると滑ります。コストでほぼ消えます 😭
なので、これは「必勝法」ではありません。わかったのは、もっと根っこの話です。
🎉 まとめ:線ではなく、線の上にいる人を見る
- 誰も見ていない値段は、抜けても 五分五分。チャートに線を引くこと自体には力がない
- 切りのいい数字や前日の高値・安値が効くのは、そこに 損切りという避けられない需要 がたまっているから
- たまっている時間が長いほど、わずかに強くなる
チャートの節目が効くのは、チャートが需要の場所を指しているときだけ です。
だから線を引くときは、「ここに線を引ける」ではなく 「ここで買わなきゃいけない人は誰だろう?」 と考えてみてください。それだけで、引く線の数はぐっと減るはずです。
迷って線だらけになったチャートを、一度きれいにしてみましょう。見えてくるものがきっとあります💪
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